お陽の柔術体験記 ~負傷した右足を添えて~
師範「柔術やらない?」
俺「やるー!!」
こんな感じで二つ返事で快諾した俺は師範が通っているという柔術道場にお邪魔させていただくことになった。
師範も「あいよ!」といった具合で柔術道場に話を通してくれた。
柔術とは今の柔道の前身ともいえる武術なのだが、師範が修めているそれは所謂『ブラジリアン柔術』と呼ばれるもの。
過去にブラジルに渡った日本人が柔術を持ち込んだことをきっかけにブラジル国内で独自の発展を遂げた武術である。
らしいですよ!!
詳しいことはグーグルとかChat GPTとかなんかで調べてくれよな!!
アレ色々と便利ですから!!
そして当日。
場所はメトロポリスTOKYOの某所に辿り着いた俺は右足を引きずっていた。
体験の前日の空手の稽古での事だ。
俺「後ろ回し蹴りぃぃぃぃ!!!!」
スカッ
ピキッ
俺「あああああああああ!!!!!!」
といった具合で空手の組手稽古の最中に繰り出した後ろ回し蹴りが見事にスカって右足の付け根を痛めたのだった。
その場でいったーい♡とやめれば良かったのだが、「いけんべい!!」と強行したせいで余計に悪化した感がある。
実際その時は筋を違えたくらいで大したことないと思っていた。
だが、柔術体験前に怪我したから休ませてください!というのは何だかビビったと思われそうなのが個人的に凄く癪だった。
見学だけでもいいから行くべーい!!と意気揚々と勇んだのだった。
引きずっている足を観れば向こうも分かってくれんべい。と思っていたのだが、
君看よ双眼の色 語らざれば憂い無きに似たり
そう。人間は言わなければ分からない事の方が多いのだ。
師範「お陽くん!来たね!」
俺「はい!ちょっと右足がアレっすけど!」
師範「そうなの?じゃあ軽めでやろうね!」
俺(あ、やべ。怪我したって言わんと)
そうやって芋引いている内に渡される貸し道着、集まってくる道場生、冷や汗の俺。
とてもじゃないが見学と云えぬ雰囲気。
ええいままよ
強行。
人間の身体は凄いもんでやっているうちにアドレナリンが出るせいか負傷した右足の痛みが小さくなっていって動けるのだ。
空手とはまた違った世界でそれはもう凄く楽しいものだった。
どうやれば関節が極まるのか、どうやれば抑え込まれた体勢抜け出すことができるのかなどの攻防が凄く楽しい。
あっという間に柔術に魅了されてしまった。
稽古後は負傷した部分が余計に痛くなってしまったがそれを差し引いてもこの日体験して良かったと思っている。
やれば分かる。やらなければ一生分からん。
最後に一つだけ言いたいことがある。
充実の柔術。
俺はこのダジャレが云いたかっただけなんでございます。
あれ?
みなさん俺を殴ろうとしてます?
P.S.
無理は禁物♡
翌日接骨院に掛かって問診を受けたんだけど怪我の顛末を素直に話したらすごく馬鹿を見るような顔されました♡