俺が禁欲をするに至った経緯
それは去年の12月の終わりごろ。
道場の師範から「来年の2月と4月に試合があるけど出る?」と声を掛けられた。
「おっけぇい!!!!!!!!!!!」と俺は二つ返事で了承。
空手を始めて初めての試合ということもあって年甲斐もなく気合が入る。
出るからには優勝がしたい!!と思い、その日から稽古以外にも自主練も始めた。
試合は組手と形の二種目なのだが、その時はまだルールをよく理解してなかったのでとりあえず筋トレと形ばかりやっていた。
しかしこれで本当に勝てるのだろうか?
何をすればいいのかは分からぬがとにかく、普通の努力だけでは優勝など出来ぬということは分かる。(今思えば師範に試合のルールと自主トレについて聞けば良かったなぁ?)
12月の暮れ。道場も稽古納め、仕事も納めて休みに入り、自主練にも精が出たが何か確信が足りない。
優勝するためには他がやらない事をやらなければ!と俺はあることを思い立った。
年明け2日目の神田明神。
凄まじい人ごみの中、俺は友人と初詣に出向いていた。
長く列に並んでようやく参拝の番が回ってきた。
そして俺が平将門公にした願掛けが以下である。
「禁欲してあらゆるやましい物、やましい事はしないので試合に勝たせてください。
あっ。
今日から1年間禁欲するのでお願いします。」
平将門公もさぞかしビックリしただろうなあ!!!!!!!!
向こうも「こいつぁえれえ大馬鹿がやってきたな」と思ったかどうかは分からんがとりあえずインパクトは抜群だったろう。
非常に馬鹿らしく思えるだろうが俺は本気でそう願掛けをした。
何かを得るには何かを差し出さなければならないという謎の信念が俺にはあった。
あらゆるものはバランスが取れるように出来ていて極端な事をすればこの世はバランスを取ろうとして反対の極端なものを得られるという持論が俺にはある。
あれっすよ。
スピリチュアルとかそういう類じゃないっすよ!!
俺が迷信深いだけだ!!!!
とにかく俺は上記のバランス理論に基づき、人間の三大欲求の一つである「性欲」を代償にして努力すれば、さらに願掛けすれば勝てると思ったのだった。
それに関東の守護神である平将門公にも宣誓をしてしまったが故にこの誓いを破ったら何か恐ろしいことが起こるのではないか?と戦々恐々の背水の陣だ。
そうして始まった俺の禁欲。
それはまぁ、効果はてきめんでしたよ。
同時に地獄だったがなぁ!!!!
しかもその地獄は現在も進行中!!!!!!
その話は次の記事でぇ!!!!!!!
P.S.
マジの地獄。
あの時の俺をぶん殴りてえ。
青春時代の風景
俺が通っていた高校は男子校だった。
世間の共学の学生たちはさぞかし甘酸っぱくて爽やかな青春時代を過ごしてことだろう。
男子校の青春時代の風景は一体どんなものか?
裸に上履きで廊下を闊歩する馬鹿。
バイト先のコンビニから大量の廃棄食品を持ってきては配給を施し「聖者」と呼ばれていた留年生。
回し読みされすぎて持ち主の下へ帰らず、ゴミ箱に捨てられていたジャンプを発見し「頼むから俺に返してください!!!!!」とクラスで叫んでガン無視されたあいつ。
1限前ですでに早弁している相撲部。
足を組んで哲学書のようにエロ漫画を読んでいる将棋部。
仮面ライダーのベルトを持ち込み迫真の変身ポーズを披露して爆笑をかっさらいご満悦の小菅くん。
寿命を宣告できる能力を有しており、気に入った奴の寿命はやたら長く見積もるが気に入らない奴の寿命はやたら短く見積もる前世自称神の神谷。
ガマガエルのような顔でジャニーズに本気で入りたいと夢見ており、意図せず反ルッキズムの急先鋒となった中野くん。
逆ナン待ちと称し高校最寄の駅で交通整理人形のように直立不動で突っ立っていたあいつ。
「面白い事やってくれ」と無茶ぶりした癖にいざ披露すると「それの何が面白いんだ?」と真剣に問い掛け、納得するまで説明を求めてくる悪魔。
裸で廊下を闊歩したところを先生に見つかりビンタされたさっきの馬鹿。
携帯が校則で禁止されていたのでダミーの携帯電話を用意したものの、見つかった際にダミーじゃない方を渡した長谷川くん。
向こうから歩いてきたら道を開けたくなるような風貌のチンピラと一筋縄ではいかなそうなアキバの帝王と形容したくなる風貌のオタクが一緒になってオセロを打つ。
ここでは笑いが正義。
笑えりゃみんなで神輿を担いで身を切る!!!!
見る馬鹿、やる馬鹿、踊る馬鹿!!!!!
ツッコミ不在だから行くところまで行く!!!!
叫ぶ狂う!!!!
女子がいないから恥も外聞も無し!!!!!
承認欲求も見栄もなんにも無し!!!!!!
思い立ったらすぐ行動の無駄な行動力!!!!!!!
適当こいても言ったもの勝ち!!!!
根拠も論理も無いがとりあえず自己主張!!!!
周りへの配慮は行方不明!!!!!!
真剣に云えばとにかく伝わる!!!!!
心の底のてめえを出しな!!!!!!!
そんなマッドマックス&ハードコアな環境だった。
担任の先生もそんな俺達を見て「お前らそれが通じるのはここだけなのを忘れるな」と言っていた。
卒業して早10年。
先生。
このノリが通じるのは本当にここだけでした。
大人となった今では懐かしい青春時代である。
頭痛くなってきました。
満腹
飯!!!!!!!!!!
大好き!!!!!!!!!!!!!!
俺にとって日に三度の食事は人生の楽しみの大半を占めている。
美味い!!!!!
まぁ美味い!!!!!
の二択の判断しか下すことのできない幼稚な舌ではあるが食事は俺にとってエンターテイメントである。
美味い物はたらふく食べたくなるというのが人間の性であろう。
腹が減ったら何でも美味い。
お陽焼肉に行こうと誘われれば
焼肉!!!!????
食べ過ぎて牛が絶滅するかもしれないな・・・。
お陽、寿司に行こうと誘われれば
寿司!!!!????
この世から魚という魚が居なくなるかもしれないな・・・。
毎度こういった懸念を抱える程に俺は食欲旺盛なたらふくまんまんである。
28にもなるというのに思春期の男子高校生並みの食欲で困ったもんである。
そんなに食うのか?と云われれば普通だ。
しかし、腹が減っている時はいくらでも食べられる気がしてきて気が非常に大きくなる。
そして自分の腹の許容量以上の物を頼んでしまう。
例えば友人と中華料理屋に行った時
友人「じゃぁ、俺これにしよう。」
俺「台湾丼? じゃあ俺
スタミナ丼、餃子、五目焼きそば」
友人「は?」
俺「いや、イケるイケる。足りないかもしれん。」
そして到着する料理たちを見て「余裕余裕♡」と食べ始める。
再度言っておくが俺の腹の許容量は普通だ。
美味い!!!!!!
そして段々と様子がおかしいことに気づく。
「多いかもしれん。いや多いわ。」
そうして食事はエンターテイメントから戦いに変わる。
俺のそんな様子を見て冷笑する友人をよそに目の前の料理を自分の腹へ押し込んで目がキマッている状態で「ごちそうさま!!!!」と宣言すれば俺の勝ちである。
出された物はすべて食う。
自分が頼んだものなら尚更だ。
二郎系のラーメン屋に行った時も同様だ。
大将からニンニク入れますかと問われた時
友人「ニンニクで。」
俺「全マシ。」
友人「お前大丈夫?」
俺「余裕余裕。腹減ってるから。」
念のためもう一度言っておくが俺の腹の許容量は普通だ。
そして到着するモリモリのラーメン。
今の空きっ腹ではこれでも足りないかもしれん。
帰りに吉野家でも行くかと思いながら「余裕余裕♡」と食べ始める。
美味い!!!!!!!!!
そして様子がおかしいことに気づく。
「こ、これ・・・。た、食べられるかなぁ・・・・?」
そうして食事はエンターテイメントから激闘に変わる。
減らない野菜、伸びる麺。
麺を箸で掬っては戻すを繰り返す俺の姿をみて冷笑する友人をよそに俺の顔面は蒼白になっていく。
そうしてなんとか腹の中に押し込んで「ごちそうさま!!!!」と宣言すれば俺の勝ちである。
何故毎度そんなことを?と思われるだろう。
それはね。
俺が馬鹿だからとしか・・・。
P.S.
馬鹿につける薬は無いというが、あったとしても俺は飲んじゃうかも♡
真夏の教習
バイク乗りたい!!!!
じゃあ行くしかないじゃないの!!!!!
教習所!!!!!!!!!!!
と、なんの計画も無しに俺は二輪免許を取る為、現在教習所に通っている。
二番目の兄貴がアメリカンバイクを乗り回していたのをきっかけに幼い頃から俺はバイクに憧れがあった。
そんな憧れがずっと心の片隅にありながら日々を過ごしていたのであるが、何故か今年に入ってからやたらとバイクへの想いが前面にでてくるようになった。
道を歩けば目に入るのはバイク、バイク、バイク。
返す刀で近くの教習所に「免許をくれええええい!!!!」とガンギマリの眼をしながら飛び込んだのだった。
じゃあ乗れよ!!!!といった具合に向こうがおススメしてきたプランに加入し、卒業検定までの日程を全て予約。
そうして始まったお陽教習所に通うの巻だった。
まぁ特に面白くもなんにもない話なのだが毎度毎度俺は苛ついていることがある。
あっちい。
この時期のバイクの教習は凄まじく暑い。暑いというか熱い。灼熱。
バイク教習では転倒による擦り傷防止の為に長袖は必須な上に、打撲の怪我防止の為にプロテクターをフル装備をしなくてはならない。
そしてフルフェイスのヘルメットを被ってバイクに跨ればあら不思議。
走る蒸し風呂の完成だ。
颯爽とスピードを出しながら走り、風を全身で感じるということは無く、教習所内では低速走行がほとんどだ。
エンジンの放射熱のおかげで毎度股座に火鉢を抱えながら走っているような感覚だ。
教習中も様々な事が起こる。
俺と一緒に教習を受けた男子高校生はMT特有のクラッチとギアの操作の理屈が分からず何度もエンストを起こしてはバイクを倒して泣きべそをかきながら俺に愚痴を垂れ始める。
8の字でバランスを崩し、慌ててアクセルを全開にしたせいで吹き飛んでいく教習バイクとおっさん。
坂道発進で坂道を登れず、後退した先ですっころんだ金髪の姉ちゃん。
二輪シミュレーションで何度もエンストをかまし、教官に失笑される俺。
教習後も凄い。
教習が終わりヘルメットを脱げばさながら水を被ったかのように髪の毛が頭皮にへばりつき身体中が汗でベッタベタとなる。
今日が初めての教習!免許を取って私もバイク女子!といった具合にキラキラした表情で化粧もばっちり決めていた女性も教習が終わると髪の毛が貞子のように乱れて化粧がどろっどろに崩れていた。
貸出用のヘルメットのあまりの臭いに騒ぎ出す高校生コンビ。
胸部プロテクターを延々と外せずにいるおっさん。
ヘルメットを脱いだ時に眼鏡が外れて落としてしまい、取ろうとしたときに踏んづけて壊してしまった俺。
二輪教習専用のラウンジには汗まみれで疲弊した男女が皆険しい顔をしながらそこらじゅうでぐったりとして座っている光景が広がっているのだ。
外ではこのうだるような暑さのせいで少々不機嫌な教官たちの怒号が飛んでいる。
ここはタコ部屋か?
整備されて清潔な現代社会においてこういった光景は中々お目に掛かれないだろう。
さぁ、皆さん
夏は教習所へ行こう!!!
地獄が見れるぞ!!!!!
拍打で心がドッキドキ♡
腕刀
拇指拳
猿臂
虎爪
等々・・・。
空手には様々な攻撃技がある。
どれもこれも手ほどきを受けると寒気がするような使い方のものがほとんどなのだが、
その中でも際立ってヤバいと感じた技がある。
それが拍打。
掌に小さなくぼみを作り、身体の表面に打ち付けることで空気の圧縮を作ってショックを与える。
そんな技だ。
そんな拍打は気絶した人間を起こすのに用いたりすると師範は言う。
腕や肩に打つと牽制にはなるが、胸に打つのはかなり危ないと師範は続けて言う。
俺「へー・・・。」
師範「後ろ向いてみろ。」
俺「え?はい・・・。」
ズバン!!!!!!!!
俺「ハウァッッ」
背中に打たれた衝撃が胸に抜けたと思った瞬間
ドッドッドクドクッドッド・・・・。
息が詰まって脈がおかしくなったのを感じた。
こ、恋・・・??
心(臓)のドキドキが止まらないよ・・・。
あとすっげえ苦しい・・・。
あっ。僕、もしかして死ぬ感じですか????
師範「これ危ねえんだよ!」
そうヘラヘラと笑う師範の満面の笑みに俺は狂気を感じることしかできなかった。
これが俺の最近ドキドキしたことである。
えっ?
そういうことじゃない?
お陽の柔術体験記 ~負傷した右足を添えて~
師範「柔術やらない?」
俺「やるー!!」
こんな感じで二つ返事で快諾した俺は師範が通っているという柔術道場にお邪魔させていただくことになった。
師範も「あいよ!」といった具合で柔術道場に話を通してくれた。
柔術とは今の柔道の前身ともいえる武術なのだが、師範が修めているそれは所謂『ブラジリアン柔術』と呼ばれるもの。
過去にブラジルに渡った日本人が柔術を持ち込んだことをきっかけにブラジル国内で独自の発展を遂げた武術である。
らしいですよ!!
詳しいことはグーグルとかChat GPTとかなんかで調べてくれよな!!
アレ色々と便利ですから!!
そして当日。
場所はメトロポリスTOKYOの某所に辿り着いた俺は右足を引きずっていた。
体験の前日の空手の稽古での事だ。
俺「後ろ回し蹴りぃぃぃぃ!!!!」
スカッ
ピキッ
俺「あああああああああ!!!!!!」
といった具合で空手の組手稽古の最中に繰り出した後ろ回し蹴りが見事にスカって右足の付け根を痛めたのだった。
その場でいったーい♡とやめれば良かったのだが、「いけんべい!!」と強行したせいで余計に悪化した感がある。
実際その時は筋を違えたくらいで大したことないと思っていた。
だが、柔術体験前に怪我したから休ませてください!というのは何だかビビったと思われそうなのが個人的に凄く癪だった。
見学だけでもいいから行くべーい!!と意気揚々と勇んだのだった。
引きずっている足を観れば向こうも分かってくれんべい。と思っていたのだが、
君看よ双眼の色 語らざれば憂い無きに似たり
そう。人間は言わなければ分からない事の方が多いのだ。
師範「お陽くん!来たね!」
俺「はい!ちょっと右足がアレっすけど!」
師範「そうなの?じゃあ軽めでやろうね!」
俺(あ、やべ。怪我したって言わんと)
そうやって芋引いている内に渡される貸し道着、集まってくる道場生、冷や汗の俺。
とてもじゃないが見学と云えぬ雰囲気。
ええいままよ
強行。
人間の身体は凄いもんでやっているうちにアドレナリンが出るせいか負傷した右足の痛みが小さくなっていって動けるのだ。
空手とはまた違った世界でそれはもう凄く楽しいものだった。
どうやれば関節が極まるのか、どうやれば抑え込まれた体勢抜け出すことができるのかなどの攻防が凄く楽しい。
あっという間に柔術に魅了されてしまった。
稽古後は負傷した部分が余計に痛くなってしまったがそれを差し引いてもこの日体験して良かったと思っている。
やれば分かる。やらなければ一生分からん。
最後に一つだけ言いたいことがある。
充実の柔術。
俺はこのダジャレが云いたかっただけなんでございます。
あれ?
みなさん俺を殴ろうとしてます?
P.S.
無理は禁物♡
翌日接骨院に掛かって問診を受けたんだけど怪我の顛末を素直に話したらすごく馬鹿を見るような顔されました♡